岩沼署増田交番(名取市)に4月、三重県出身の北村多真美巡査(25)が配属された。叔父はプロ野球東北楽天の元主砲、山崎武司さん(48)。中高生の頃から長期休暇のたびに球場に通い、「人柄の良さに触れた」と宮城での就職を決めた。
愛知大(名古屋市)で法律を学んでいた1年生の終わり、東日本大震災が起きた。叔父の応援で何度も利用した仙台空港に津波が押し寄せる映像に衝撃を受けた。
同じ年頃の若手警察官が被災地のために活躍する姿が印象に残り、「法律の知識と自慢の体力を生かそう」と県警受験を決めた。
警察官になって3年目。増田交番は岩沼署管内で事件事故の取扱件数が最多で、日常は多忙を極める。合間をみて震災を経験した先輩たちの話に耳を傾け、復興途上の街を見詰め続ける。
将来は暴力団など組織犯罪に立ち向かう捜査員が目標だ。「つらいことも率先して取り組み、震災から前へ進む県民を後押ししたい」と目を輝かせる。